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魚の腹水と松かさ病の原因 お腹の膨らみと鱗の逆立ちの見分け方

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魚の腹水と松かさ病の原因|お腹の膨らみと鱗の逆立ちの見分け方
タイトル画像(イラスト):代表的な魚種としてプラティを描いたもので、症状を示すものではありません

魚のお腹がはっきり膨らみ、鱗が外側に逆立っているときは、体液バランスと内臓の状態を調べる必要があります。腹水や立鱗(松かさ状態)は症状であり、そこから単一の病原体を導き出すことはできません。よく似たお腹の膨らみが、卵、臓器、腫瘤によって起こることもあります。[1]

腹水や松かさ状態に気づいたら、まずすること

水温、pH、アンモニア、亜硝酸を測り、エアレーションとろ過を確認します。発症したのが1匹か複数か、最近の換水、輸送、魚の追加、給餌の変化も記録しましょう。横からと上からの写真を撮り、左右非対称になっていないか、膨らみが大きくなり続けていないか、目の突出を伴っていないかを観察します。

お腹の膨らみに松かさ状態、拒食、速い呼吸、出血や潰瘍を伴う場合は、早めに獣医師に相談してください。自分でお腹に針を刺したり押したりせず、「腹水」という言葉だけで抗生物質を選ぶこともやめましょう。

腹水と松かさ状態はそれぞれ何を意味するか

説明画像(イラスト):左は正常なお腹の形、右はお腹の膨らみと鱗の縁が浮き上がった状態のイメージ。外観だけでは腹腔内の液体貯留を証明することも、原因を特定することもできません。

腹水(ascites)は体腔内に過剰な液体がたまった状態を指します。英語の dropsy は文献によって使い方が異なり、腹水で体腔が膨らんだ状態を指す場合もあれば、鱗のうの水腫で鱗が逆立つ状態を指す場合もあります。そのため、dropsy をすべて単純な腹腔内の液体貯留と同じものとみなすのは適切ではありません。[1][3]

立鱗とは鱗が外側に逆立つ状態で、一般に「松かさ状」と呼ばれます。鱗のうの水腫が鱗を押し上げることで起こり、体液バランスが崩れている手がかりにはなりますが、その原因までは教えてくれません。[3]

はっきりした松かさ状態がなくても、内臓の病気を否定することはできません。特に鱗のない魚は逆立つ鱗がないため、通常は同じ形では現れません。

本当の体液貯留とほかの原因によるお腹の膨らみを区別する

考えられる方向見分けるポイント
細菌感染や全身性の病気出血、潰瘍、目の突出、臓器の病変を伴うことがある。培養やほかの検査と合わせて判断する。
ウイルス、寄生虫、混合感染魚の種類、入手元、経過に応じて評価する。腹水のある魚すべてに同じ病原体の検査が必要なわけではない。
成熟した雌の卵や卵詰まりお腹が大きいことは水がたまっていることと同じではない。正常な繁殖状態と異常な卵詰まりを区別する必要がある。
腫瘍、臓器の腫大、浮き袋の異常周囲の臓器を圧迫したり動かしたりすることがあり、浮力の問題と同時に現れることもある。
消化管の閉塞などの問題同じように膨らみの原因になりうる。食欲や外観だけでは判断できない。

表は体腔疾患の教科書と関連資料をもとにまとめています。細菌の行は [1][2]、そのほかの行は [1] を参照。この一覧は鑑別の方向性を示すもので、各原因の頻度が同じという意味ではありません。

細菌が培養されても、それがすべての答えとは限らない

運動性エロモナス Aeromonas は敗血症、お腹の膨らみ、松かさ状態を引き起こすことがあります。しかしこれらの細菌は水中や健康な魚の周りにも広く存在し、ほかの感染や環境の問題に続いて二次的に起こる場合もあります。細菌が検出されたら、病変、採取部位、病理組織検査、経過と合わせて判断する必要があります。[3]

抗酸菌は、やせ、腹水、潰瘍など、慢性的でさまざまな全身性の病変を起こすことがあり、人にうつるリスクもあります。[2] 原因がわからないうちは、飼育水や病魚に触れるときに手の傷を保護し、獣医師の指示に従って対処しましょう。

金魚などでは鑑別の範囲がさらに広くなりますが、外観だけでは確定診断できず、季節や水温だけで感染と決めつけることもできません。特定の検査を行うかどうかは、獣医師が症例ごとのリスクに応じて判断します。

水温の急変は危険因子であって、万能の原因ではない

急な温度差、移動や取り扱い、そのほかのストレスは、ある種の感染リスクを高めることがあります。ただし、腹水が出てから水温を元に戻しても、すでに起きている臓器の病変に対処できるとは限りません。[1][3]

換水では温度、pH、その他の条件を急に変えないようにし、あわせてアンモニア、亜硝酸、飼育密度、そのほかのストレス源を確認します。環境の改善と原因の検査は並行して進めましょう。

獣医師はどのように調べるか

X線や超音波などの画像検査は、液体、卵、浮き袋、臓器、腫瘤を見分けるのに役立ちます。必要に応じて液体や組織の採取、培養、分子検査を行います。どの検査を組み合わせるかは、魚の大きさ、状態、診断の目的に応じて選ばれます。[1]

群れで発症した場合と、ペットとして飼っている1匹の場合とでは、検査の進め方が異なることがあります。まず記録を提供し、獣医師がもっとも有益な検体を選べるようにしましょう。検査に出す準備や水のサンプルについては「魚が病気になったら」をご覧ください。

松かさ状態になったら、もう助からないのか

松かさ状態は早めの評価が必要な重い兆候ですが、外観だけで末期と決めつけることはできません。予後は根本的な原因、臓器のダメージの程度、経過によって決まります。腹水は特定の病気ではなく非特異的な症状であり、同じお腹の膨らみでも、必要な対処が異なることがあります。[1]

慢性的な病変や回復が難しい病変では、結果が思わしくないこともあります。また、魚に食欲があるからといって、体内の問題を先延ばしにしてよいわけではありません。獣医師の診察は、改善できる要因とその後のケアを見極める助けになります。

よくある質問

魚のお腹が大きいのは、必ず食べすぎのせいですか?

いいえ。卵、体液の貯留、臓器の腫大、腫瘍でも同じような外観になることがあります。膨らみが続く場合やほかの異常を伴う場合は、検査が必要です。[1]

松かさ状態が1匹だけなら、うつらないということですか?

匹数だけでは判断できません。1匹でも複数でも、原因が感染性の場合もあれば、非感染性の場合もあります。

自分で腹水を抜いたり、添加剤を入れたりしてもいいですか?

自分で針を刺して抜くのはやめましょう。どんな添加剤も原因の診断の代わりにはならず、飼育負荷の管理、換水、生物ろ過の代わりにもなりません。処置が必要かどうかは、魚の種類、環境、実際の病状をもとに獣医師が判断します。

薬を使う必要がある場合は、正規に承認された適切な動物用医薬品を、ラベルと獣医師の指示に従って使用してください。

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参考文献

  1. Densmore CL. Coelomic Disorders. In Smith SA ed. Fish Diseases and Medicine. CRC Press, pp. 174–182, 2019. doi:10.1201/9780429195259-8.
  2. Petty BD, Francis-Floyd R, Yanong RPE. Bacterial Diseases of Fish. Merck Veterinary Manual, 2022年改訂.
  3. Hanson LA, Hemstreet WG, Hawke JP. Motile Aeromonas Septicemia in Fish. SRAC Publication 478, revised 2019.
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